最近のアニメやドラマは基本曲先(きょくせん)が
多いと思いますが、自分はこれがかなり苦手。
理由としては、

1.音響監督のセンスによっては
  楽曲が意図しないところで使われてしまう。

2.映像受けでしか音楽をつけていけないので
  音楽としての意味合いが薄く、印象に残りにくいし、
  音楽が効果音的になる。

3.転調がしづらく、リズムで構成をつけている作家が多い。
  楽曲として面白いものになりづらい。

4.曲数が無駄に増える。ありとあらゆるシーンに
  いつでも当てられるよう、必要なさそうな楽曲まで
  発注されるため、曲数が2割は増える。

以上の理由から自分は極力、映先(絵先)に
してもらうことが多いです。
もちろん、スケジュールの関係からこのような流れに
してもらうことは難しいケースが多いですが・・・。
ちなみに、今まで映先(絵先)だった作品は

・ゼノギアス オープニング
・ゼノサーガ ムービーの半分は絵先。
・ライド・ライド・ライド NHKドラマ
・マリオパーティ オープニング
・ラクガキ王国2 オープニング
・アークライズファンタジア
・新・光神話 パルテナの鏡
・SOUL SACRIFICE
・劇場版イナズマイレブン 最強軍団オーガ襲来
・劇場版イナズマイレブンGO vs ダンボール戦機W
・黒執事 Book of Murder

そのた多数。
そして今、黒執事 Book of Atlanticと来年放送予定の
NHKドラマも映先(絵先)になります。(鋭意制作中)

映先(絵先)にした場合、映像音楽に対して
かなり経験を積んでいないと難しいかと思います。
自分は学生の頃に大量の映画を観たこと、
また作曲の勉強をしていた時にありとあらゆる
映像に音楽をつける練習を怠らなかったこと。
このおかげで、映像がもつ音、テンポ、入れ方、
盛り上げ方が自然と見えてきますし、
自分にとっては映先(絵先)の方が制作がしやすいのです。
学生時代に遊び呆けてないで色々とやっておいて
本当によかったと思える瞬間ですが(笑)、
今また、色々と勉強(研究)したいことが
増えてきたので、来年はそういう時期にしたいと思います。