譜面ソフトDoricoか高らかに主張するこのハリウッドスタイルのスコア。楽曲のフィナーレの後、ミュージシャンが自由に書き込めるように五線だけ印刷した余白を空けるスタイルなのですが、効率化をとことんやっているアメリカのレコーディングにおいてこれはどうなんだろう?と思ってしまいます。少なくとも自分がアメリカで録音したときはこんなレイアウトはしていませんでした。日本の売れっ子作曲家はアシスタントなど数名抱えて、プロツールスのセッションの用意や譜面作成などをアシスタントにさせる場合がほとんどです。自分なんかはそこまでせっぱ詰まって仕事をするの体力的に無理なので、会社的理由がない限り、全部一人でやる場合がほとんどですし、自分でやったほうが早かったりするので、外部に任せることはよっぽどの事がない限りしません。しかし、アメリカは完全に分業制。曲を書く人、アレンジする人、オーケストレーションする人、録音セッション(ProTools)を用意する人、譜面化する人、譜面が間違っていないかプルーフリーディングをする人、プリントアウトする人・・・などなど、とても多くの人が携わります。アメリカのレコーディング現場の特徴として、レコーディングがスムーズにいくように、日本にはないプルーフリーディングという仕事があります。これは前もって譜面が読める人が間違った音が表記されていないか印刷前に譜面をチェックするのわけです。なので、レコーディング現場において音間違い、譜面間違いというものが一切ありません。これはとても素晴らしいことですが、このDoricoがいっているハリウッドスタイルという機能は音符をメモするためにあるものらしいのですが、楽譜が間違えていないのであれば全く必要のない機能だと言えます。これがハリウッドスタイルといって売りにしているわけですが、ハリウッドで写譜をやられている方、プルーフリーディングをされている方々はどう思われるのかなーと気になっています。どちらかというと、日本のCM系の作家さんが必要とする機能ではないのかなと思います。
- こまかい事
- Digital Performer 10.13