物が売れない、消費意欲が無い、と最近よく言われます。
不景気だから? 良い物が無いから? コピーものが出回っているから?
専門家は色々と調べているみたいですが、理由はなんにしろ、
悪循環になっている事だけは間違いがないでしょう。
例えば、ある作品を僕が作りたいと思ったとします。
でもトータルの予算は限られており、予算によって時間も短くなっていきます。
ミュージシャンの数やレコーディング時間、曲数も調整しなければいけません。
では、この大元の予算ってどこから算出されるのでしょうか?
今までの統計や現在の市場の状態から算出され、
その予算内でということで依頼が来ます。
ということは、物が売れない=作る予算が下がるという図式が
必然的に出来上がっているのは容易に想像がつくかと思います。
予算があまりにも少ないとここで何が起きるかというと、
クリエイターは何かを切り捨てていくしか選択肢がありません。
方法は色々とあるでしょう・・・。
○ 生録音のところを打ち込みにする。
○ あらゆる時間を短くする。
○ 自分が考えたアイディアを削る。などなど・・・
どれもクリエイティブではありません。
また、お金を出して聞いてくれるファンの皆さんには
どれもやってはいけないことです。
プロキのようにクリエイターの僕が社長の場合は自腹を切る
という究極の選択肢があります。
ですが、普通考えれば会社は利益をださなければいけないため、
そんな自腹を切るなんて事は絶対にしません。
そこで何が起きるかと言うと、当然妥協の嵐になっていくわけです。
すると、面白い物が出来ない、ファンの方はつまらないので
物を買ってくれなくなる、更に予算が少なくなる・・・以下略。
(この中に、どうせつまらないからコピーでいいや、という発想も
出てきてしまっている事も事実でしょう)
音楽を例にして書きましたが、これは全ての商品に言えることです。
何処かで歯止めをする。誰かが歯止めをする。
このスパイラルは誰も得をしないからです。
自分だけではどうすることも出来ない状況になりつつあり、
今まで以上に厳しくなっていく事が予想されます。
でも嘆いていても何も始まらないので、
更なる解決策を見つけようと模索中でございます。